腰にわずかの痛みがある場合、単なる腰痛ばかりではなく、大きな病気が発生している可能性も考えられます。例えばヘルニアでも、始めはちょっとした痛みで疲れによるものだろう、という程度の場合も多くあります。
その後、だんだんと腰の違和感が大きくなってきて、ぎっくり腰のような痛みが発生して、そのまま長い間安静にしなければならなくなります。
ヘルニアの治療は長い時間が必要です。無理をした時間が長ければ長いほど改善に要する時間も長くなってきます。
ヘルニアではまず、急性期を乗り越えるために安静にしておくことが最も大切です。安静にしなければ、急性期が長く続き、また痛みを起こすような動作をすれば、その分、ヘルニアを悪化させてしまいます。
その他には、鎮痛剤やステロイド剤などを投与して痛みを軽減させたり、ブロック注射をして痛みの神経伝達をブロックし、筋肉を温めて血行を改善して自然治癒の効果を引き出すことも試行されます。
急性期以外でも、全般に用いられる装具がコルセットです。コルセットを腰部に装着すれば、腹圧を高めることでコルセットが筋肉の代わりとして作用します。
腰の痛みが強すぎて、トイレに行くことも出来なかったという場合でも、一人で行くことができるようになる場合も多く、寝癖などが悪い場合にも高い効果を発揮します。
ヘルニアの急性期を過ぎれば、リハビリや牽引などのメニューを追加することになります。特にリハビリをして筋力をつけ、ストレッチをしてやわらかさを取り戻すことが大切です。
腰痛に効果的なリハビリ方法の1つが、水中での訓練です。水中では浮力がありますから、腰への体重による自然な負荷が軽減されます。
このため、鍛えたいと思う部位をより効果的に鍛えることができる効果が充分に期待されます。腰に負担のかからないような泳法を用いて泳いだり、水中歩行や水中での体操などが主なメニューです。その他には、自然な陸上歩行や自転車でのライドなども多く取り入れられていきます。